日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年5月3日論理的に話すために具体的に考えよう!


★論理的に話すために必要なこととは?


「上司やお客様に説明する時、もっと論理的に話せるようになりたいんです」
ベーシックコースの見学に来られた人からこのようなお話を伺うことがあります。論理的に話せるようになりたいと考える人は、ロジカルシンキングに関する本を読んだりセミナーを受けたりされるでしょう。しかし、そういうことをしてもさっぱり効果がなかった、という人が大半ではないでしょうか。

ロジカルシンキングの本は、一般的な知識や考え方が書かれていますが、読んだ人は実際に書かれていることを実行しようとはしません。論理的に考えることもスキルですから、自ら考えたり行動したりすることで徐々に身についていくものです。そしてそのためのキーワードは『具体的に』です。まず自分の今の状況を具体的に知り、それを改善するために何をすればよいのか、具体的に考えて実行することが肝要です。

今回は論理的に話せるようになるための3つのステップについて解説します。


★ステップ1 話せなかった場面を具体的に思い出す


まず最初のステップは、論理的に話せなかった場面を具体的に思い出すことです。
私が論理的に話せないという人に「具体的にどんな時にどんな風に話せるようになりたいですか?」と質問すると、ほとんどの人が「う~ん、そうですね・・・」と考え込んでしまいます。そもそも、話しているうちに混乱してしまい、どういう会話だったか思い出せない状況になってしまったのでしょう。

一般的に、論理的に話せないは、物事を具体的に把握する習慣やスキルが身についていないように感じています。人間の思考や行動は全て極めて具体的なものですので、改善すべきことの把握や改善行動などもすべて具体的でなければなりません。従って、どのように話ができなかったのかを具体的に思い出して自らの問題点をつかむことが最初のステップになります。
・上司に報告しているとき、何を言っているのか分からない、と言われた
・役員会で議案を長々と説明してしまい、司会役から手短に話すよう促された
・お客様に新サービスの提案をしたら、本当にできるの、と言われた
・新たな人事制度の案を提示したら、考えることはそれだけじゃなくてもっとあるのでは、と指摘された
論理的に話せなかったエピソードを思い出した上で、『どういう話し方をしたのか』『相手はどういう反応を示したのか』などをできるだけ具体的に思い出しましょう。

 

★ステップ2 原因を考える


具体的な場面が思い出せたら、次にその状況が起こった原因を考えてみましょう。
・話しているうちに次々と色々なことが頭に浮かび、それを次から次に話してしまった
・話す内容がうまく頭の中でまとめられないまま話してしまった
・A→B→Cと話さねばならないところ、A→Cと間を飛ばして離してしまった
・ある物事について一部を考えただけで他に考慮すべき事を考えていなかった
具体的な事実に基づいて考えていくと、なぜそういう話し方になってしまったのか幾つか思いつくことが出てきます。それらをできるだけ具体的に書き出していきます。そして、これが一番の原因だなというものを一つ選び出します。原因はそれを改善するために探り出すのですから、幾つもあったのでは改善に手が回りません。一番重要なもの一つに絞りましょう。

 

★ステップ3 改善策を考える


そして、最後のステップで選び出した原因を改善する方法を考えます。
・お客様に説明する内容にヌケモレがないように事前に整理する
・自分の説明で理解できるか、事前に他の人に話して評価してもらう
・A→B→Cと話せるよう事前に何度も声に出して練習する

 

★他の人の力を借りる


しかし、一般に人は自分のことを分析するのは苦手です。また、話せない場面は思い出せても、なぜそういう話し方になったのか、それはどうすれば改善できるのか、などが思いつかないということもあると思います。従って、上のステップの具体的な事実が思い出せた後の原因追及、改善方法の検討は他の人の力を借りるのが賢明でしょう。論理的に話せる友人や上司に相談するのもよいでしょう。また専門家の力を借りることも有効だと思います。

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